日本とロシアの心と文化が出合う映画「ジョバンニの島」

映画
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皆さん、こんにちは。
ブログを見に来ていただき、ありがとうございます。

今日は、2014年に、日本音楽事業者協会創立50周年の記念に上演された、
映画「ジョバンニの島」について、お話しいたします。

この映画は、「北の国から」シリーズなどの演出で知られる映画監督の杉田成道さんが、
原作・脚本を書いたものです。

主人公の順平(当時10歳)は、1947年10月のソ連軍の色丹島上陸を機に、
生まれ故郷の色丹島から樺太へ移され、12月に帰国し、
現在は根室に住んでいらっしゃる得能宏(とくのうひろし)さんが、モデルとなっています。

ある日、突然、故郷を奪われた人々の戸惑いと涙、
二度と故郷へ帰れない悲しみ・・・
そんなシビアなテーマを、
順平の目線で、少年特有の生気あふれる純粋な感性で描き切っているところが、
この映画の素晴らしさだと感じました。

自然の風景が、ダイナミックでありながら繊細で美しく、
岬に霞がかかる風情ある景色や、
緑の大地いっぱいに咲き乱れる素朴な花たちや、
日本家屋のぬくもりなど、
ほっと心が安らぐシーンが幾つもありました。

美術監督は、フランス在住のアルゼンチン人アーティスト、
サンティアゴ・モンティエル氏で、
日本の版画や木版画を意識しながら、
大好きなゴッホの西洋油絵の要素も取り入れた、ということなので、
味わい深い色彩が表現されていたのも、納得できます。

西洋人形のように美しいロシア人の少女ターニャと、
順平との淡い恋も、ほほえましかったのですが、
あの年頃の少年や少女にとっては、
やはり、両親や家族、地域の共同体の存在が、
「恋」以上に大事で、
沢山傷ついたり、
それでも頑張って友情を育もうとしたりする子どもたちのいじらしさに、
ほろりと泣けてしまいました。

特に、日本人とロシア人の子どもたちが、
隣り合わせの教室で、
最初は意地を張り合っていたのに、そのうち、
互いにエールを交換するように、自然と、
日本の「赤とんぼ(夕焼け小焼けの・・・)」と、
ロシアの「カチューシャ(りんごの花ほころび・・・)」を歌い合うようになったシーンは、
とても印象に残っています。

実際に今でも、根室で、
日本人とロシア人が友情を育んでいる話を関係者が語っていることからしても、
こういう現実もあったのだな、と感慨深く思います。

ただ、順平の無邪気な弟、7歳の寛太が病死したように、
戦争には、忘れてはいけない側面も、確かにあったと思います。

個人的には、今、北方領土の問題に目が離せません。
色丹島、歯舞群島の二島だけでも返還されるのだろうか、と、
成り行きを、ドキドキと注視しています。

シベリア鉄道の北海道への延伸の話も出ているようですが、
日本とロシアとの真の友好が築かれることを、切に望んでいます。

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