ドイツ語の映画やドラマ「REX」「ジェネレーション・ウォー」「帰ってきたヒトラー」

ドイツ
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皆さん、ブログを見に来ていただき、ありがとうございます。小説執筆中に、ドイツ語の勉強を兼ねて、ドイツ語の映画やドラマなどを色々と観たので、今日はそれらの作品を少しご紹介いたします。

まず、「REX」というドラマですが、この作品は、日常会話のリスニングの勉強になると思います。私が観たのは「シーズン1」でしたが、オーストリアのウィーンが舞台になっていて、オープニングテーマも、「美しき青きドナウ」がポップスに変わっていくという趣向が凝らされていて、そのバックに聖シュテファン大聖堂やプラーター公園の大観覧車も映し出されたりと、ウィーン大好きな私としては、こたえられませんでした。警察犬が主役のミステリーなので、犬好き・ミステリー好きにも、おすすめです。

次に、「ジェネレーション・ウォー」・・・原題「Unsere Mütter, unsere Väter(我らの母 我らの父)」というドイツの超大作テレビドラマですが、これもとても見ごたえがありました。16億円の製作費をかけて作ったというだけあり、大規模なセットの中で繰り広げられる戦闘シーンは、映画に匹敵するほどの迫力がありました。

第二次世界大戦(独ソ戦)を、ドイツの若者(親友の五人の男女)の目線で描くという画期的な試みで、ドイツでは、全3話のシリーズ累計視聴が2100万人以上という、未曽有の大ヒットとなりました。

ドイツが大勝利を収めてクリスマスまでに戦争は終わる・・・クリスマスに再会しよう・・・と楽観視していた若者たちでしたが、それぞれに過酷な運命が待っていました。

将校のヴィルヘルムとその弟で下士官のフリードヘルムは、東部戦線へと出兵します。
(弟が、心優しい文学青年だったので、同じ文学者として私も、初めから目が離せませんでした。トム・シリングという俳優が演じていて、繊細な演技が光っていました。)

兄弟が共に愛した幼なじみのシャーロッテも、自ら志願して従軍看護婦となり、同じく東部戦線へ向かいます。

歌手志望のグレタは、ユダヤ人の恋人ヴィクトールのために、親衛隊の少佐の愛人となり、パリへの出国書類を手に入れますが、少佐の数々の裏切りにあいます。

ヴィクトールは、裕福な仕立て屋の跡取り息子でしたが、少佐の奸計によって収容所行きの列車に乗せられますが、列車から脱出し、そこから勇敢な逃亡劇を展開します。

若者たちの純粋な心が、徐々に壊れていく様子・・・どうやって人の心が変わっていくのか・・・困惑、怒り、絶望、空虚、無我、そして、勇気・・・そういった心の変遷が、この映画の最大の見どころだと思いました。

気弱で父親からも「ダメな奴」とののしられていた弟が、祖国のため、仲間のために、最期に勇敢な行動をとったのと対照的に、あれほど非の打ちどころのない兵士だったはずの兄が、臆病者となっていく様にも、ドラマとしての構成力の素晴らしさを感じました。

ドイツ語とともにポーランド語を話せ、対独パルチザンに加わる(おそらくポーランド人の)女性の登場も、ドラマに深みを持たせていました。ドイツからもソ連からも苦しめられたポーランド。尊厳を守るために戦う道を選んだ女性が、素朴に輝いていたところが印象的でした。

そして、2016年という年をもっとも物語っているともいえるドイツ映画「帰ってきたヒトラー」も観てきました。6月のことです。ドイツで大人気となっていると聞きつけ、映画館へ足を運んだのですが、原作の小説は、なんと、ドイツ国内で200万部の売り上げをたたき出したといいます。世界41カ国で翻訳され、タイムズのベストセラーリストでも1位となり、映画化されてもディズニーを抜いて1位となったというのですから、その人気のすさまじさがうかがい知れます。

ドイツをはじめとするヨーロッパで起きている、こうしたナショナリズム的な現象を知っていたら、イギリスのEU離脱やアメリカのトランプ大統領当選なども、自然な流れとして受け止められたのではないでしょうか。グローバリズムに反対する世界各国の人々の気持ちは、かなり根強いようです。

今、ドイツの人々が、いったいなにを考え、どういう気持ちでこの映画を求めているのか、それを探りたかったので映画を観に行ったのですが、感想としては、やはり、移民・難民問題がドイツの人々の大きな不安材料になっているのだと痛感しました。平穏な暮らしと日常を脅かされたドイツの人々の不満が噴出してきたものと思われます。

ヒトラー役に抜擢された役者さんは、すさまじい努力と研究の末、風貌はもとより話し方や身振りまでも、本物にそっくりのヒトラーになったのですが、罵詈雑言や暴力に見舞われるのではないかという事前の予想に反し、撮影でまわったドイツ各地では、意外なほどに人々から歓迎され、ハグされたり、写真撮影を求められる場面が多かったといいます。

そして、私が映画の中で一番印象に残った場面は、ラスト近くでヒトラーが、「私は、選挙で選ばれたのだ。私がモンスターだというなら、私を選んだドイツ国民もモンスターだ」と言うところでした。
(台詞はうろ覚えなので、少し違っていたらすみません。。)

グローバリズムの限界・・・民主主義の限界・・・そして、資本主義、共産主義の限界も感じるこの頃ですが、やはり、突破口としては、他国に依存する発想ではなく、自らのことは自らの頭で考え、未来を切り開き、自国にとって最善の道を選んでいく勇気と気概、すなわち、「サムライ魂」を国民一人一人が持つことではないでしょうか。そんなことを考えさせられる映画でした。

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