皆さん、ブログを見に来ていただき、ありがとうございます。今月の15、16日に、いよいよロシアのプーチン大統領が日本を訪れ、安倍首相と首脳会談を行うことになっています。日本が主張してきた北方領土問題を含む平和条約締結交渉に、なにやら暗雲が立ちこめているようで、一人の日本国民として私も、気が気ではない日々を送っています。
安倍首相は、日本のために・・・日本国民のために・・・今現在の最善の策を講じて決着をつけてくださるのでしょうか。よもや、ロシアとの条約締結ありきで早まった交渉をされたりはしないでしょうか。そんな不安が募るばかりです。
真剣勝負のサムライの心意気で、日本の主張は堂々と貫き、ロシアからあまりにも理不尽な要求を突き付けられたら、「それは話が違うからできない」と、きっぱりと断っていただきたいです。
そんなことを、あれこれと考えていたら、とあるオペラのことを思い出しました。ロシアの作曲家チャイコフスキーが台本と作曲を手掛けた「スペードの女王」というオペラです。
貧しい青年士官が、とある少女と恋に落ち、賭け事で大金を得て少女と結婚しようという野心を抱き始めるところから物語が始まります。
つまり、結婚にはお金が必要だ・・・そのお金は「楽」して手に入れよう、と野望を持つわけです。
少女の祖母(伯爵夫人)が、賭け事に勝つためのカードの秘密を知っていると聞きつけた士官は、なんとか秘密を聞き出そうとしますが、誤って伯爵夫人を死なせてしまいます。
亡霊となった伯爵夫人から、少女と結婚することを条件に、首尾よくカードの秘密を聞き出した士官でしたが、大金をつかめると有頂天になった瞬間に、よこしまな考えが心に浮かんできます。
次第に、賭け事に勝つことのみに夢中になり、少女のことさえ、どうでもよくなっていくのです。
士官の冷めた愛に絶望した少女は、自殺をしてしまいます。
士官は、お金に目がくらんで、とばく場で賭け事に専念し続けるのですが、最後の最後で、「スペードのクイーン」を手にしてしまい、全てを失い、自らも命を絶つのでした。
なんとなく・・・この物語の仕官が安倍首相に、少女が日本に思えるのは、私だけでしょうか。
賭け事そのものが道理に合わない上に、この士官は、自分がなんのために賭け事をしようとし始めたのかさえ、見えなくなっていくところが、このオペラの最大の悲劇です。
もし、士官に、途中からでもとどまって、全てから手を引く理性と勇気があれば、もしかしたら、最悪の悲劇は避けられたかもしれません。
安倍首相には、北方領土のこと・・・占守島(しゅむしゅとう)の戦いのことなども含めて、日本人の心を大切にしながら交渉に臨んでいただきたいです。
最後に、占守島の戦いと北方領土問題について少し補足します。日ソ不可侵条約を一方的に破棄したスターリンによる対日宣戦の最終目標は、南樺太、全千島はもとより、北海道の半分までをも奪うことでした。
戦争はとっくに終わったはずの、昭和20年8月18日に、ソ連軍が千島列島最北端の占守島へ、突如、軍事侵攻を開始しました。すでに武装解除を始めていた日本軍でしたが、このソ連軍の奇襲に対し、敢然と迎え撃ち、数日間、激しい戦闘が占守島で繰り広げられたのです。
満州や南樺太でも経験しなかったほどの、この日本軍の予想外の反撃により、ソ連軍は尻込みし、スターリンの北海道侵攻のスケジュールは大幅に狂うこととなります。もし、占守島で日本軍が頑強に抵抗しなければ、北海道がソ連に奪われていたことは確実でしょう。
占守島の戦いの後、日本軍は完全に抵抗をやめ、ソ連軍は千島列島の島を一つずつ攻略していき、最南端の歯舞群島の占領を完了したのが、昭和20年9月5日になってのことでした。
(日本のポツダム宣言受諾は8月14日です)
もうとっくに戦争は終わっていたはずの期間に、ソ連=スターリンが、その飽くなき領土欲により遺した負の遺産、それが戦後70年以上経っても未解決な「北方領土問題」なのです。
ソ連軍と勇敢に戦った日本兵の多くは、その後、ポツダム宣言に反しシベリアへ抑留され、大勢の方々が極寒と過酷な労働の中、命を落としました。(同宣言では「日本人を奴隷化しようとする意志にあらず」と謳われています)
そうした尊い命の犠牲と、島を追われた島民の方々の無念の想いを胸に秘め、北方領土の交渉に毅然と臨み、安易な妥協はしないでいただきたいです。
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