東燃ゼネラル児童文化賞・音楽賞の受賞記念公演(あまんきみこさん、稀音家義丸さん、井上道義さん、萩原麻未さん)

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皆さん、ブログを見に来ていただき、ありがとうございます。先日、11月8日に、四谷の紀尾井ホールで開かれた東燃ゼネラル児童文化賞と音楽賞の受賞記念公演にご招待頂き、観に行ってきました。

「社会に役立つ活動を続けていくことは、企業の大切な責任の一つである」という理念に基づいて、長年、様々な社会・文化貢献活動を展開してきた東燃ゼネラルが主催する児童文化賞と音楽賞は、今年、2016年で、それぞれ51年目、46年目を迎えました。

「豊かな感性を求めて」児童文化と音楽文化の発展と向上に大きく貢献した個人または団体に贈られる賞の、今年の栄えある受賞者は、児童文化賞が、児童文学作家の、あまんきみこさん、音楽賞の邦楽部門が、長唄の演奏家で研究家の稀音家義丸(きねやよしまる)さん、洋楽部門・本賞が、指揮者の井上道義さん、そして、洋楽部門・奨励賞が、ピアニストの萩原麻未さんと決まりました。

あまんきみこさんは、第二次世界大戦の悲惨さを描いた「ちいちゃんのかげおくり」の作者としても知られています。

今回の受賞記念講演では、あまんさんの処女作「車のいろは空のいろ」(1968年)の中の「白いぼうし」という童話を、あまんさん自らが、優しい声で、心を込めて朗読してくださいました。聞いているだれもが、忘れかけていた「幼心」を思い出していたことでしょう。会場が、しばし、あたたかい空気に包まれ、私も胸が、じいんとしました。

稀音家義丸さんは、8日付けの「日刊油業報知新聞」のインタビュー記事の中で、とても謙虚に、「私は唄方として、声に恵まれた方ではありません」とおっしゃり、「長唄では、(声が良いという)資質が、逆に成長の邪魔をすることがあるのです」と、興味深いお話をされていました。

美声に任せて修行を怠り、作曲者が、その歌詞になぜlこのような節(旋律)を付けたのか考えもせずに歌うようでは、空間芸術である長唄の極意には達しない、と、おっしゃるのです。

研究熱心な稀音家さんは、意外なことに、洋楽からも影響を受けたそうで、ドイツのソプラノ歌手エリザベート・シュヴァルツコップや、同じくドイツのバリトン歌手フィッシャー・ディースカウらが、譜面よりも歌詞を重視して一流になったことを力説しておられます。

古今和歌集や新古今和歌集からの題材も多く、仏教や歌舞伎、能などの影響も色濃く受けているという長唄を、江戸時代のサムライは、「切らなければ切られる一瞬の間」を会得するために学んだといいます。

受賞記念公演の「新小鍛冶」の演奏では、四名の歌い手と、四名の三味線奏者の他、笛、小鼓、大鼓、太鼓など、それぞれの奏者たちが、絶妙なタイミングでそれぞれの節を奏で、「序」「破」「急」の「間」を作り上げる重厚な演奏を繰り広げ、会場を優雅で粋な空間に包み込んでいました。

音楽賞の洋楽部門では、井上道義さんの指揮で、オーケストラ・アンサンブル金沢と、萩原麻未さんのピアノの夢の競演が果たされました。しかも、曲目は、モーツァルトのピアノ協奏曲第27番 変ロ長調K595(第一楽章)ということで、もともと素晴らしい曲である上に、私の小説のクライマックスでバルバラ・プロイヤーが演奏する曲でもあったので、個人的にも、聴く前から、胸がドキドキしてしまいました。

私の座席は、二階の、舞台に向かって左側、ちょうどピアノの鍵盤が真下に見える、この上ない場所だったので、麻未さんの指づかいや全身の躍動までがダイレクトに伝わってきて、瞬きするのも惜しいほど、食い入るように見つめていました。

演奏は、とても素晴らしかったです。指揮者の井上さんは、演奏者の心を自然と開かせるような、人情味あふれる指揮を全身を使ってなさっていたので、オーケストラ・アンサンブル金沢の皆さんも、適度な緊張感と適度なゆとりをもって、確かな演奏をされていました。

麻未さんのピアノは、まさに、魂がこもっていました。モーツァルトが、亡くなる年の年初にこの曲を完成したときの心に、真摯に寄り添おうとしていらっしゃるのが、よく伝わってきました。卓越した技術はもちろんのことですが、優しくも勇敢な美しい音色が、私の心に深く刻まれました。特に、曲の終盤のカデンツァはとても研ぎ澄まされた演奏で、あまりの感動に自然と涙がこぼれてしまいました。。。

バルバラ・プロイヤーも、1791年の1月に、ウィーンで開かれたナポリ王夫妻の歓迎式典の際に、この曲を、こんなふうに素敵に演奏したのだろうな、と、想像し、胸が熱くなったのでした。

ラストを締めくくるベートーヴェンの交響曲第4番 変ロ長調op.60(第3楽章と第4楽章)も、難しい曲だと井上さんはおっしゃっていましたが、指揮者と演奏者の皆さんの気合がビンビンと伝わってきて、それぞれの楽器の音色が冴えわたって響いていました。

CDで何度も聴いた好きな曲だっただけに、色んな楽器が登場してくるのを、耳だけではなく目でも見て楽しむことができ、とても新鮮な体験となりました。

素晴らしい芸術に触れ、とても幸せなひとときを過ごすことができ、ご招待してくださった東燃ゼネラル社さまと出演者の皆さまに、心より感謝いたしております。

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